PTSD(心の外傷後ストレス障害)は、うつ病に似た症状が現れることが多く、一時的にうつ病と混同されることもあります。以下、その特徴と違いを解説します。
PTSDとうつ病の共通点(似ている点)
- 抑うつ気分(気分が落ち込む、喜びを感じない)
- ワクワクや集中力の低下
- 不眠や過眠、食欲の変化
- 疲労感、無力感
- 日常生活への興味・関心の減退
- 自責感や絶望感
このように、PTSDでもうつ病でも「気分の落ち込み」や「日常生活がうまくいかない」のように、なんとなく「うつ状態」が共通症状として出現しえます。
PTSD独特の特徴(うつ病とは違う点)
- フラッシュバックや悪夢:トラウマ体験を繰り返し思い出してしまう(再体験症状)。
- 回避傾向:トラウマを思い出す場所・人・話題などを無意識に避けてしまう。
- 過覚醒症状:した物音で驚く、ちょっと気が強い、イライラしやすい、眠れない、集中できないなど。
- 自分や他者に対する信頼感の喪失:自分や世界に対する見方が変わり、生きづらさや孤独が強くなる。
鑑別・見分けのポイント
- うつ病は明らかなきっかけがない場合も多いですが、PTSDは「心の外傷(強いトラウマ体験)」をきっかけに発症するのが原則です。
- 再体験症状や回避・過覚醒といった「トラウマと不安だった症状」の存在が、それぞれの主な違いです。
注意点
- PTSS(心の外傷後ストレス症状)と診断名としてのPTSDは症状には厳密には違いますが、うつ病的なことが起こるPTSD患者も少なくありません。
- PTSDとうつ病が「併発」するケースも多く、専門家で丁寧な聞き取り別が必要です。
まとめ
PTSDは「うつ病に似ている」部分がありつつも、トラウマ再体験や回避、過覚醒といった独特の症状が設定されています。「ただの気分の落ち込み」だけでなく、心の外傷やそれにまつわる記憶・反応が大きく影響します。
症状が続いている場合や疑いがある場合は、早めに医師を受験することが大切です。