うつ病の医学的なレベル(重症度分類)は、次の3段階に分けられます。
- 軽症うつ病 診断基準にあってはまる症状は比較的少ない、苦痛は感じるもの、社会的・職業的な機能障害はわずかに存在します。日常生活や仕事・学業などはある程度こなせるが、集中力やの低下、気分の落ち込みなどが見られます。
- 中等症うつ病 軽症と重症の間あたり、症状の数・程度ともに中等度。患者は仕事や家事、対人関係により明確な問題が出始める、趣味や好きなことへの興味関心や身体的がみられる場合が多いです。
- うつ病 診断基準に複数の項目が明確に該当し、苦痛が非常に強い。仕事や学業のみならず、日常生活全般に深刻な障害が出て、食事や水分の摂取が困難になったり、コミュニケーションが極度に真面目なこともあります。強希死念θ(死にたい思い)や自殺企図がみられ、頻繁に入院など特別な治療が必要となります。
医学的な重症度の判断基準(DSM-5の例)
- 下記9項目のうち5つ以上が2週間以上認められ、社会的・職業的機能障害を伴う場合に「大うつ病性障害」と診断されます。 重症度は症状の数や強さ、日常生活への影響度合いによって上記の3段階に区別されます。
- 9つの主な症状(DSM-5)
- 抑うつ気分
- 興味・喜びの喪失
- 体重や食欲の変化
- 睡眠障害(不眠または過眠)
- 精神運動の焦燥または制止
- 易疲労性・気力減退
- 無価値感・罪責感
- 思考力・集中力の低下または決断困難
- 死についての反復思考、自殺念θまたは自殺企図
数値で測る指標としてQIDS(簡易うつ病症状尺度)があり、量によって軽度・中等度・重度の目安を把握することもあります。
注意点
医学の診断や重症度の評価は医師が主観・客観的に双方の個別の臨床像を総合的に判断します。
初期段階は本人も周囲も気づきにくいため、疑いのある場合は専門医への早期参加が重要です。