うつ病回復期の注意点
うつ病の回復期は、少しずつ症状が軽くなり、日常生活へ復帰し始める期間です。しかし油断は禁物で、無理や焦りは再発の大きな要因となります。
- 完全に元通りの日常を急いで取り戻そうとせず、「自分のペース」を大切にしましょう。
- 症状には波があるため、調子が良い日も悪い日も一喜一憂せず、長い目で経過を見守る必要があります。
- 不安や辛さを感じる時は、しっかり休むことも大切です。
- 心配事があれば、医療スタッフや家族に相談し孤立を防ぎましょう。
うつ病回復期の薬の服用に関する注意点
- 症状が良くなっても、自己判断で抗うつ薬や治療を中止・減薬するのは避けましょう。離脱症状や再発のリスクが大きいため、必ず医師の指示に従ってください。
- 服薬は一般的に、症状が安定しても6か月〜1年以上続ける必要があります。
- 飲み忘れを防ぐため、生活習慣と結びつける工夫やカレンダーで管理しましょう。
- 副作用や不安があればすぐ医師に相談を。薬の変更や減量は必ず医師と一緒に行うことが大切です。
- 抗うつ薬は依存性の心配は少ないので、安心して継続してください。
回復期における抗うつ薬の離脱症状
抗うつ薬を急に中断・減量した場合、様々な離脱症状(中止症候群)が現れる場合があります。
- 主な症状は、めまい・吐き気・頭痛・不眠・しびれ感・全身倦怠感・不安・イライラなどです。
- 特にSSRIやSNRIなど一部の薬で離脱症状が出やすい傾向があります。
- 離脱症状は通常1~2週間、稀に数か月続くことがあります。強い離脱症状が出た場合も、医師と相談の上で再調整しましょう。
- 減薬や中止は必ず医師と相談し、段階的に行うことが安全です。
自殺の兆候を見逃さないために
回復期で気分がやや安定していても、急に自殺願望が強くなるケースもあり注意が必要です。
- 「死にたい」「消えたい」など死亡をほのめかす発言や、身の回りの整理、大切な持ち物を人に譲るなどの行動が見られる。
- 遺書の準備や、突然の家出・失踪、不自然なほどに明るくなる等もサインです。
- 不眠、食欲低下、極端な無気力、絶望感などの精神状態・身体状態の変化にも注意してください。
- 兆候を感じた場合は、速やかに医療機関へ相談やサポートを申し出ることが大切です。
うつ病回復期は決して「治った」ものではなく、慎重な生活の積み重ねと服薬が再発を防ぐ鍵となります。離脱症状や自殺リスクにも十分注意し、医師や周囲の支えと共に新たな日常へ歩んでいきましょう。