老年期(高齢者)に見られるうつ病は、認知症と並ぶ病率が高い疾患であり、高齢者の約10〜15%が該当するとされていますまた、うつ状態まで含めて3割近いという国内調査も報告されています。
主な特徴
- 症状の現れる方が若年〜中年期と異なる
老年期のうつ病では、強い気分の落ち込みや「悲哀の一時」が現れるひどい、代わりに身体の不調(頭痛、不眠、倦怠感、食欲不振など)や不定愁訴、自律神経症状が前面に出やすい傾向があります。 - 発生しやすい・認知症との鑑別が重要物忘れ
や奮闘の低下、集中力の減退は認知症と混同されることも多く、うつ病であることに気づかず「老化現象」と捉えられてしまったり、適切な治療が解決ケースが少なくない。 - 心理社会的課題・無意識体験が発症リスクに伴って
友人・友人知人の死別や、退職退職・経済的困難・社会的孤独など「無意識体験」の役割や変化が重要な発症懸念とされています。。 - 性差
老年期のうつ病は女性が男性よりも多い傾向がみられます。 特に60代後半〜70代では女性での発症率が高くなります。 - 身体や疾患の薬と関連する
複数の持病(糖尿病や高血圧、脳疾患など)や多剤服用の副作用でうつ症状が出ることも多く、鑑別診断が必要です。
診断・治療の留意点
- 老年期うつ病の診断基準自体は成人と同様ですが、身体症状や認知機能の低下が紛れ込みやすいため、精神・身体・社会歴すべてを多角的に評価する必要があります。
- 治療は抗うつ薬(副作用リスクから低使用量開始)、心理療法、環境調整(家族や地域のサポート、活動機会の確保など)が重要です。
まとめ
- 老年期のうつ病の有病率は10〜15%。
- 気分の絶望より身体障害や激しい減退、不定愁訴が前面に出やすい。
- 症状が加齢と認知症と混合されやすく、脱落しやすい。
- 配偶者の死別・役割喪失などの喪失体験、女性、身体疾患保有者がハイリスクです。
- 正しい診断と早期治療、家族・社会のサポートが回復の鍵。
自殺者の3割を60歳以上が占めているという事実
高齢者はうつ病を背景とした自殺が、他の時代と比べて深刻な問題となっている。
主な理由と特徴は以下の通りです。
- 高齢者の自殺率は全年代で最も高い水準
- 日本では者(特に男性)の自殺率が高く評価されており、80歳以上の自殺率は各年代の高齢者の中でも最上位となっている。
- 老年期のうつ病患者の自殺率は、うつ病を持たない高齢者の数十倍にも達成する場合があります。
- 自殺の背景に特有のリスク
- 相棒との死別、退職、社会的孤独、身体疾患や痛み、経済的な困難など、老年期特有の諦め体験やストレスが重なりやすい。
- 老年期のうつ病では「死にたい」という希死念慮を容認するケースが多く、身体障害の表面に不安うつや恐怖感が隠れている場合があります。
- 漏洩しやすいことが危険要素
- 早期発見と周囲の支援が限り重要
- 高齢者のうつ病や希死念θには周囲が観察し、声をかけたり参加したりすることが重要です。
- 家族や地域、医療機関による「孤独を支援」「待ち時間や痛みの軽減」「社会参加の機会を考える」ことが自殺予防に直結します。
- 考えて、老年期のうつ病は自殺リスクが非常に高いという重要な特徴を持っています。 年齢からくる知覚体験、身体疾患、社会的孤立など多層的な関与と、精神障害が重なることで危険が増します。 高齢者の「元気がない」「身体不調ばかり」のような場合も、うつ病や希死念慮のサインである可能性があります。